幻氷とは

幻氷(げんぴょう)は、オホーツク海の「海明け」を告げる春の風物詩です。

海上に残った流氷が、光の屈折によって通常と違った見え方をする蜃気楼現象です。

このページでは、幻氷と、幻氷と誤解されやすいほかの蜃気楼現象について、それぞれ解説します。

上位蜃気楼と下位蜃気楼の違いなど、蜃気楼の基本についてはこちら↓でご確認ください。

幻氷

  • 流氷が去っていく春先を中心に発生
  • 「白いビル」や「厚い流氷帯」、「二重の流氷帯」、「氷の壁」、「白い大陸」のように見え(見え方は多様)、大きく迫力がある
  • 帯状に見える像の上端が真っすぐに揃っている場合が多い
  • 南(陸上)から暖かい風が吹くことで起きると考えられている
  • しばらく見ていると、虚像の形が変化する場合が多い
  • 「おばけ氷」とも呼ばれる
幻氷
【幻氷】2014.4.29 12:15ごろ 斜里町以久科原生花園の海岸より。気温 15.0 ℃
【幻氷と巡視船】2014.4.29 12:20ごろ 斜里町以久科原生花園の海岸より。気温 15.2 ℃

幻氷と間違われやすい現象

空飛ぶ流氷(流氷の下位蜃気楼)

  • 春先以外にも発生し、 海面が見えていれば頻繁に見られる
  • 流氷が「宙に浮いているよう」にみえる (=下位蜃気楼=浮島現象)
  • 像の上端がでこぼこしている
  • しばらく見ていても、虚像の形が変化しない
  • 海上を冷たい風が吹くことで起きる
  • 流氷が近くにある場合、より大きく「浮かんで」見えることがある
空飛ぶ流氷 流氷の下位蜃気楼
【空飛ぶ流氷】2016.2.27 7:20ごろ 斜里町以久科原生花園の海岸より。気温 -19.0 ℃

真冬の流氷の上位蜃気楼

  • 流氷が沖合まで密に接岸した厳冬期に発生(朝が多い)
  • 流氷原と空のさかい目に、白い帯状やバーコード状の縦縞のように見える(見え方は多様)
  • 流氷原が放射冷却で強く冷え込むことで起きると考えられる
厳冬期の流氷の上位蜃気楼
【厳冬期の流氷の上位蜃気楼】2014.2.24 7:40ごろ 斜里町以久科原生花園の海岸より 流氷原上、うっすらと半透明に見える部分が蜃気楼。気温-14.6℃

どうやって見分けるの?

虚像の見え方や、気象条件から総合的に判断します。

しかし、冬のオホーツク海では、上位蜃気楼と下位蜃気楼の両方が同時に見えることも多く、判断が難しい場合もあります。

また、発生条件や特徴が完全に解明されているわけではなく、今後、これらの分類が変わっていく可能性もあります。

※本ページの文章は2015年、筆者が斜里町立知床博物館に在籍時、館のホームページで公開した内容について一部写真・文章を見直したものです。文責:佐藤トモ子

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