「蜃気楼発生予測」とは
- 毎朝、7時台に更新されます
- 予報は「可能性あり 😊」「可能性なし 🙁」のどちらかです
- その日、オホーツク海北側(斜里町ウトロ~紋別周辺)の海岸で「上位蜃気楼」が見られる可能性があるか、ないか、を示しています
これまでの研究
厳冬期でも頻発する上位蜃気楼
2013年から、斜里町の有志メンバー(のちの「知床蜃気楼・幻氷研究会」)で蜃気楼の観察を始めました。
春先の流氷の上位蜃気楼「幻氷」は以前から知られていましたが、厳冬期にも流氷や海岸の風景、夜景などが上位蜃気楼となって見えることがわかってきました。
斜里平野の冷え込みが原因?
流氷接岸後のみならず、海上にまだ流氷が無い時期にも上位蜃気楼が見られました。
そのため、流氷上の放射冷却だけではなく、陸上で冷やされた空気が海上に流れ出すことで発生するのでは?という仮説が立てられました。
ドローンで実際に温度を観測
北見工業大学 氷海環境研究室(舘山一孝准教授ら)は2015年から、蜃気楼の研究に取り組み始めました。
2017年には、斜里町の海岸にて上位蜃気楼発生時の温度観測に挑みました。ドローンを使用し、蜃気楼発生の原因と考えられている、地上から上空100mくらいまでの気温を測定しました。
温度観測は厳冬期の朝、蜃気楼の観察場所である以久科原生花園の海岸で行われました。
数日間測定したところ、蜃気楼が発生していないときは地上から上空100mまでの温度にほぼ変化が無いのに対し、発生している時は地上よりも上空の温度が高くなっていることが判りました。
上位蜃気楼は「上暖下冷」と言われる、温度の差があるときに発生するとされています。(詳しくは→蜃気楼とは)
ドローンを使った観測によって、上位蜃気楼が発生しているときの海岸では、上空ほど温度が高い状態になっていることを実際に確認できました。
蜃気楼発生予測のしくみ
この研究成果を応用し、地上と上空の温度差をリアルタイムで観測するしくみを構築しました。
斜里町郊外にある建造物にて、地上から約50mまでの間に3か所、温度計を設置しました。
地上よりも高所の温度が高い状態となった場合に、上位蜃気楼が発生すると考え、「可能性あり」と判断します。